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Q&A 整形外科的治療



骨転移の治療に関する質問
整形外科的治療
Q.  現在骨の再生術はどの程度出来るのか。16年前、右肩甲骨に悪性腫瘍を発症。自宅近くのクリニックで治療していたが、骨腫瘍とわからず誤診。新宿区の大学病院で悪性腫瘍と診断、手術で肩甲骨全切除、再検術を希望したが、癌研でもどこの病院でもやっていなかった。
A.  転移性骨腫瘍では、種々の人工関節を多用していますが、骨再生の技術自体がまだ十分な実用性を伴っていません。これには、転移を生じていることから幹細胞を採取する場合に癌細胞の混入の懸念があること、また引き続き抗がん剤治療等、身体の負担がかかり自己の再生能力の後押しが期待にしくいなど種々の悪条件を今後越えて行かねばならないと思います。

治療開始のタイミング
Q.  家族に骨転移(腸骨)がわかっていて、経過観察しているが、いったいどのレベルで治療を始めるのか、何か指針、目安があるのか。
A.  がんナビ第8-10回を参照下さい

ビスフォス剤
Q.  ゾメタやランマークは、骨転移治療にどのくらいの頻度で使われていますか?また、治療による骨転移の改善により、治療を終了することはありますか?(乳がん患者・骨転移なし)
A.  がんナビ第8回を参照下さい。

標準治療以外の治療
Q.  1年前に骨転移がわかり、薬(ランマーク、ハーセプチン、ホルモン薬)の治療を受けています。今のところ痛みはありません。ある患者さんから、温熱療法(局所に熱を加える、特殊な高周波)が進行を遅らせる効果があると聞きました。こうした療法に薬による治療を補完する効果は期待できますか?転移部分に熱を加えることは、良いことでしょうか?胸骨、左傍胸骨リンパ節,Th9 (乳がん患者・骨転移あり)
A.  ランマーク、放射線治療が標準治療で効果も安定していますが、ラジオ波や集束超音波治療、ハイパーサーミアなどの各種温熱治療はこれら標準治療で対処困難な場合に試みられています。標準治療が難しい場合でも、次の手がいくつかはあると考えておき、まずは標準治療をお勧めします。

Q.  骨転移の放射線治療後、再び同じ所に痛みが出た場合、手術以外の治療を教えて頂きたい。少しでも生活の質を落とさない生き方をしたいです。(乳がん患者・骨転移あり)
A.  前質問と同回答。

放射線の効果
Q.  骨転移判明後、すぐに放射線治療をして(10回)2か月経過しています。脇腹の転移した場所の痛みはまだ消えていません。どの位で痛みは治まるのでしょうか?
A.  通常2-4週以内に8割方痛みの軽減が得られるとされます。やるべき治療はきちんと受けられた状況なので、良くなってくるのを待ちましょう。残っている痛みはきちんと痛み止めの処方を受けましょう。

Q.  放射線後、2ヶ月経過してますが、痛みの度合いは変わらないのですが、今後増悪するのか、また新たにがん細胞が増えているのか心配。短時間で骨転移は進行するのでしょうか?ゾメタなど新薬の副作用も心配なのですが・・・(乳がん患者・骨転移あり)
A.  乳癌ではまれですが、放射線治療が全く効かないことがない訳ではありません。また治療としては癌細胞をやっつけてはいるが痛みが狙い通りに引かないことも想定されます。まずは痛みが続いていることを主治医に相談しておきましょう。ゾメタの副作用は短期的には腎機能障害で、腫瘍マーカーと同時に検査されていることがほとんどかと思います。一度尋ねてみて下さい。

麻痺の回避
Q.  ステロイドの点滴で急場はしのげるとは、具体的にどういうことでしょうか?(乳がん患者・骨転移なし)
A.  脊髄の圧迫は、多くの場合、骨転移病変による圧迫と、圧迫部位で脊髄が腫れることとが同時に起こっています。ステロイドというお薬は、脊髄の腫れを抑える作用があります。副作用のことを心配なさる方が多いかと思いますが、寝たきりに陥るか否かというとき、ステロイドの点滴が麻痺の回避につながることがあるのです。

Q.  48時間タイムリミットの時、何科にどのように伝えればいいか!(乳がん患者・骨転移なし)
A.  それよりも、まず主治医の先生と麻痺症状が生じたらどう対処すればよいか、日頃から相談しておくことが先です。麻痺発生時の対応は、各医療機関や医療圏により状況は異なります。

Q.  2月から左足、すねの部分と足首にビリビリした痛みがでました。今歩くと痛みがありますが、すぐに病院へ行くべきでしょうか。(乳がん患者・骨転移なし)
A.  日本は国民皆保険を維持し、整形外科へ直接診察に行ける医療サービスの進んだ国です。米国などでは整形専門医受診するのに、まず家庭医にかかって整形外科に行く必要性があるかの診断を受けなければなりません。予約には週単位の時間がかかり治療費も高額です。からだの不調があるときに、便利な日本の医療サービスを利用しない手はありません。乳癌の先生の再診が随分先なら、当面の緊急事態が生じていないかはお近くの整形外科医院で構いません。乳癌の治療中であることや、骨転移の心配をしていることは伝えて下さい。意外に、骨転移以外の痛みだった、ってことも多いと思います。

リハビリ
Q.  がんの骨転移による骨折を手術した場合ですが、術後のリハビリをして、歩行できるまでどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
A.  治療内容など個別事情がなくては回答できないご質問になります。

Q.  リハビリはどこで受けたらよいのでしょう。
A.  治療を受けた病院となります。通院でリハビリをしている病院は、ちなみに関西地区ではほとんどありません。リハビリの診療体制は十分ではありませんので、自宅でのリハビリの継続方法を指導してもらうのが、現状と思います。

治療を断られたら
Q.  年配の患者、年齢によって骨転移治療はしてもらえない場合があるようですが、そのときはどこに行ったらよいのでしょう。
A.  骨転移では、すでに全身に転移が拡がり、手術などの負担の大きい治療を断念せざるを得ない場合があります。治療ができない理由については、十分説明を求めて下さい。それなりの理由があるはずですので、他の病院でも同じ判断となる可能性があります。すべきではないとの判断も、ときにはありうることはご理解下さい。

Q.  骨転移の治療のあと、内科に回されて治療を断られた場合、骨転移の治療はどこに行ったらよいのでしょう。
A.  医療難民問題が生じていると思います。随分改善されてきてはいますが、まだときおり見られているようです。これまで重要な場面で治療を受けてきた医療機関に相談するのが、妥当と思われます。がん患者さんの相談に応じておられるNPO法人もあると聞きます。突き放す病院の院長に手紙を書くなんて方法もあるやもしれません。また実際、これ以上の治療が難しく、緩和ケア主体となる場合は在宅医療の地域の先生を見つけるのが、得策な場合もあるでしょう。


受診すべき病院・診療科
Q.  総合病院の整形外科なら、たいていは、正しい対処ができると考えて大丈夫なのでしょうか?(乳がん患者・骨転移なし)
A.  スタッフが4-5名、整形外科だけでもいるとなると、熟練の整形外科専門医がいて、これまでも骨転移患者さんに対処してきました。次の世代の教育も行ない、難症例では高次医療機関との相談も行っているのが通常ですので、ほとんどの場合は対処可能と思われます。

Q.  都内で整形の専門的な相談ができる医療機関、またはDrを教えて下さい。(乳がん患者・骨転移なし)
A.  前述

Q.  東京で骨転移を診療してもらえる病院を知りたい。(乳がん患者・骨転移なし)
A.  前述

Q.  内科的な治療でなく整形外科はどこで受けてくれるのでしょう。
A.  ちょっと質問の意図するところが汲み取れません。受診すべき医療機関についての記述を参考にして下さい。

Q.  実際問題、朝起きてふらつき、歩きにくくて病院に行く場合、急なことで乳がんのかかり付け医がいる病院が遠いため、近くの総合病院に行くと思うのですが、その場合、整形外科を受診するのでいいですか?(乳がん患者・骨転移なし)
A.  その通りです。総合病院の場合、受診すべき診療科が分からなければ、窓口で尋ねられたら指示してくれると思います。

Q.  乳がんの骨転移の可能性を患者が訴えた場合、検査したり、緊急手術ができる整形外科医は、どのくらいいらっしゃるのですか?
A.  未知数と言わざるを得ません。緊急対応も十分とは言えない、患者さんへの情報提供も十分行っていない、専門医も全国に数百人、知らずに麻痺に陥っている人がいるという事実。まさに、病院の診察室で搬送されてくる麻痺患者を診療しているだけでは、解決できないと私が感じた理由はそこにあります。少数の熱心な医師に支えられている現状も、このままでは彼らとて疲弊して倒れてしまいます。全国の乳がん患者さんが結束すれば、全がん患者さんにも恩恵が届くでしょう。私も継続していきますが、皆さんも横のつながりを作って行って頂きたい。

その他
Q.  最初溶骨性と言われましたが、ホルモン治療により、造骨性に変わったと言われました。そういうこともあるのですか。そして、造骨性の方が状態は良くなったということですか。(患者)
A.  ホルモン療法や抗がん剤治療が効いてくると、からだが本来兼ね備えている修復能力が発揮されて旺盛な骨新生が起こり、造骨性のようになってしまうことがあります。とくにゾメタやランマークと併用する時代になって、この現象がよくみられるようになりました。通常は、お薬の治療がよく効いている現象と我々は捉えています。

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